11月25日(月)、松が丘Yuiの一緒に考える会「エンディングノートと遺言書」を開催しました
日時:2019年11月25日14:00~15:30
テーマ:実際に作ってみた エンディングノートと遺言書
場所:松が丘中央会館
報告者:岩本哲夫
参加者:松が丘住民33名
1.報告内容の骨子
<エンディングノートと遺言書の勉強会 33名が参加>
「エンディンノート」
1.エンディングノートとはなんでしょうか?
- 入院や相続時など「もしもの時」に必要となる情報を整理して1冊のノートに整理したものです。
- 自分自身にとっての忘備録としても役立ちます。
2.ノート作成には、パソコンを使いました。
- 既製品のノートも販売されていますが、情報は適宜追加、更新する必要がありますので、パソコンを使いエクセルで管理するのが便利です。
- 項目ごとに統一したフォーマットで記載することにより、不足している情報が明確になります。
- 項目を適宜追加し、また最新の情報に更新することで、使いやすい状態を保つことができます。
- ただし、パソコンを使うにはセキュリティーを十分配慮する必要があります。
3.どんな情報を記載するのでしょう?
- 自分の基本情報、家族情報、緊急時連絡先、治療中の病気・服用中の薬・かかりつけ医
- 証書(健康保険証、国民年金証書、企業年金証書、運転免許証など)、保険(生命保険、火災保険、自動車保険など)=>記号、番号、保管場所等
- 財産(預貯金、不動産、株式・有価証券、借金・ローン、車など)
- クレジットカード・電子マネー・口座自動引き落とし関連情報
- 携帯電話関連情報、パソコン関連情報、インターネットプロバイダー関連情報、利用しているネットサービス情報
- 医療・介護に関する要望(リビングウィル)
- 葬儀や墓に関する情報・要望
- 遺産相続に関する遺言
4.実際に作ってみて、わかったポイント等。
- 情報があちこちに散らばっており、このままではいざというとき困るであろうと実感しました。また、証書類の保管場所の記載、カード紛失時の連絡先の記載などにより、日常生活のトラブルの解決にも役立つことがわかりました。
- ご希望がありましたら、私の作成したフォーマットを提供できます。岩本までご連絡ください。
「遺言書」
1.「遺書」とは、英語で“Will “ 意志です。
- 遺産相続に関し自分の思いを残し、法定相続人である家族・親族間のトラブルを防ぎ、法定相続人以外にも遺産を遺贈できる、「法的」なメッセージです。
2.遺産相続のトラブルは増えています。
- 不動産の評価や分割方法、被相続人に対する介護の寄与の評価などを巡ってもめることが多いです。兄弟姉妹の仲は良くても、その配偶者が納得しないというケースがあります。遺言は、こうしたトラブルを防ぐのに役立つのです
3.遺言書には、法定相続分とは異なる遺産配分や、法定相続人以外への遺贈を明記することができます。
- ただし法定相続人(第3順位の相続人を除く)には、遺留分(最低限の遺産取り分)を受け取る権利があり、その権利が侵害された場合は、その支払いを請求することができます(請求の有効期限は1年)。
4.「遺言書」には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
(1)自筆証書遺言:遺言者(被相続人)が遺言書の全文、日付、氏名を自筆し、押印して作成する形式。
従来、家庭裁判所に”検認”を申請し遺言実行に1〜2ヶ月かかっていたが、40年ぶりの民法改正により、2020年7月10日より法務省に保管しておれば、家庭裁判所での“検認”が不要となります。
(2)公正証書遺言:公証人役場に行き、2人以上の承認の立会いのもと、公証人が遺言者から遺言内容を聞き取りながら作成する形式。
- 自筆証書遺言は費用がかからず、いつでも作成・修正が可能です。ただし、一度は行政書士等に見てもらう方が良いでしょう。
5.遺言の執行に困難が予想される場合、遺言者は遺言執行者(または遺言執行者の選任者)を遺言書で指定することができます。
- 遺言施行者とは、相続財産目録の作成、預金解約手続き、法務局での不動産名義変更手続きなど、遺言の内容を実現するために必要な手続気をする人のことで、そのために必要な一切の行為をする権限を持ちます。
2.質疑・意見交換
●相続人が一人、子供は一人などで、相続に伴うトラブルが予想されない場合、遺言書は無くてもいいのでは?
⇒ その通りです。
●トラブルを避けるために遺言書を書いておいてほしいと思う人がいても、その人に書いて下さいとは言い出しにくいのが実態ではないだろうか?
⇒ そうではあるでしょうが、後々の苦労を考えて相談すべきと思います。
● 遺産相続のトラブルを防ぐ方法として、生前に贈与するのも一つの方法と思うが?
⇒ その通りです。
●人が死亡すると、病院の支払、葬儀の費用など出費がかさむ。名義の変更手続きが終了するまで被相続人の預金が引き出せないことへの対策を考えておいた方がいい。
⇒ (注)法改正(2019年7月1日以降)により、「単独の相続人による預貯金の払い戻し制度」で必要な諸経費(上限等の条件あり)を引き出せるようになりました。
●遺言書を書くとしても、その前に家族で十分に話し合うことが必要です。
松が丘Yui 共同代表 小林義一・岩本哲夫
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